相撲協会所属 行事 呼出 床山
現在、(財)日本相撲協会の行司になれるのは義務教育を終了した19才未満の男子で定員45名以内の場合に限られている。
行司が着ている着物は行司装束といい、審判規則第一条には行司が審判に際しては規定の装束(直乗ひたたれ、烏帽子えぼし)を着用し
軍配を使用するとあります。
また、軍配に着いているひも、胸のひも、そで、すそのひも、胸とはかまに着いている菊とじと呼ばれる飾り房、には行司の階級にによって使用する色が決まっています
階級により足袋をはくか素足が決まる。
立行司 木村庄之助(紫房)、式守伊之助(紫白房)、短刀、足袋草履着用
三役格行司(朱房)、足袋、草履着用
幕内格行司(紅白房)、足袋着用
十両格行司(青白房)、足袋着用
幕下各以下(黒又は青房)、素足
役割 | 1・東西両力士が土俵に上がってから土俵に上り軍配を両力士にかざし力士名を呼び上げ、 取り組み制限時間が来て 両力士の立会いの呼吸が合うと 待った無し、合わせて、手をついて等と声を掛け軍配を手前に引き両者を立ち会わせ勝負を見届ける。 勝敗が決まると勝負ありと はっきり大きな声で判定を下し勝ち力士の方面に軍配をかざし 両力士の立礼後 勝力士に勝ち名乗りを与え競技終了を表す。 両力士が土俵に上がり取り組み終了後土俵を下がる迄競技の一切の主導をする。 勝負が長引くと”残ったハッケヨイ”を繰り返し取り組みの進行を促す。行司の視線は主に力士の足元に有るといわれる。 勝敗が微妙でも必ずどちらかに決定しなければならない。 審判規則で行司に関し21条まで定めが有ります。 取り組みに懸賞が掛けられている場合、軍配上に懸賞袋を乗せ勝ち力士に渡す。 顔ぶれ言上:中入り時間中に翌日の取り組みの発表を相撲字で対戦力士名を書いた紙(ワリという)にて 館内で公表する。独特な口調で御客様に言上します。 (立行司の仕事) このワリは翌日 館外にて取り組み終了迄公表されます。 2.勝敗を知らせる館内放送をする。 3・相撲字 相撲字は正楷書体で文字の中の空白を限りなく少なく肉太で書く。 ちなみに筆は細字はイタチの硬い毛 ワリなどの極太字は馬毛の腰の強い8号の筆で書きます。 書き物と言って膨大な量を担当別にこなして行く。 一番良く知られている物が番付表です。 番付発表日までに約10日間かけて極秘で書き上げ印刷に回す。 昭和40年前後から約20年間担当した式守与太夫さんの番付表は達筆でまとまりが良く 味わい深い相撲情緒が有る。 これはその後を継いだ木村容堂さんも認めるところであります。 番付表は印刷した物のみならず 本場所中 会場に掲げるヒノキ板に直接書き上げた板番付も有る。 大きさは高さ約2メートル、幅1メートル50センチ、数日掛けて仕上げる、これは本場所用と巡業先でも勧進元の要望に応じ書き上げる物とが有ります。 本場所 太字で書く取り組みの顔ぶれ、取り組み編成の時に使う為長い紙に力士名を書きあげる(巻き)、各部屋の稽古場につるす細長の板に 部屋所属の全人名を書く札、諸々多数の注意書き、本場所の電光掲示板に載せる為プラスチック板に関取の名前をペンキで書く(非常に書きずらいらしい。)巡業先での力士の部屋を長い紙に書き並べる部屋割り。 書き物の仕事が非常に多い。 4・本場所初日の前日の土俵祭、 土俵祭は勝利の三神と方角の四守神に土俵が神聖になる様願い15日間の相撲の無事安泰を祈る為に行う。 祭主のノリト、献酒、方屋開口故実言上、六品(かやの実、勝栗、昆布、するめ、洗米、清めの塩) の供え物を 土俵中央に埋めて邪気を祓う。 各部屋の土俵開きの神主役 |
位 | 木村庄之助、式守伊之助、三役格、幕内格、十両格、幕下格、三段目格、序二段格、序ノ口格 尚、階級は年功序列に限らず 土俵上の勝負判定の良さ、土俵上の姿勢態度の良さ、土俵上の掛け声 声量の良さ、指導力の有無、 日常の勤務状況、行司実務の優劣などを基本に成績評価が有り 年1回 階級順位の昇降が有ります |
呼出
現在、(財)日本相撲協会の呼出になれるのは義務教育を終了した19才未満の男子。
平成5年3月定員を38名以内から45名以内に改変。
役 割 |
1・力士の呼び上げ 奇数日は東方、偶数日は西方から白扇を開き力士を呼び上げる。呼出最大の見せ場であります 2・土俵構築 本場所のみならず各巡業の土俵造り、各部屋の稽古土俵造り 土俵はキメ細かく粘土質の土(理想的なのが荒川区荒木田原の土・通称 荒木田) を初日の6日程度前から約3日掛けて(たこ、たたき、掻き、くわ、つき棒、 スコップ、一輪車など) を使い高さ60cm(公演34cm)一辺が6.7mの正方形の盛り土を作り硬くつき固め 表面中央に直径4.55mの円を小俵を使って作る。出来上がった土俵中央に幅6cm長さ80cmの白線を 70cmの間隔をおいて引き仕切り線とする。土俵の小俵は6分を土中に4分を地上に出す。 その他 徳俵、蛇の目(土俵の外周りに幅約25cmにわたって砂を敷き, 踏み込み、踏み切りの判定をしやすくする)を作る。 3・太鼓 寄せ太鼓:早朝に打つ、 はね太鼓:全取り組み終了時に打つ(明日又会いましょうの意味を持つので千秋楽と1日興行では打たない) その他、一番太鼓(力士場所入り)と二番太鼓(関取場所入り)が有りますが現在は打っておりません。 初日の前日 町中に出て初日の取り組みを触れながら打つ触れ太鼓が有ります。 太鼓は毎場所ごとに丸太で組まれた高くそびえる櫓の上で打ちます。 蔵前・旧 国技館愛知県体育館 福岡国際センター 両国・国技館はエレベーターが設置され常設となりました。 4・柝(き)を打つ 土俵入り先導の時の柝(き)の音は一瞬しーんと静まり返った館内で東方と西方で微妙に音色が違い神秘的でさえある。 5・土俵の手入れ、一番ごとに掃き清める、蛇の目の砂ならし 6・力水、力紙、清めの塩、タオルの管理 力士に柄杓で力水を手渡す,タオルを手渡す 7・力士に制限時間を知らせる 8・幕内の控え力士にその力士専用の座布団を敷く 9・土俵下の審判委員の世話をする 10・土俵上で負傷した力士に手助けをして土俵下におろす 11・行司の顔ぶれ言上の補佐:行司が書いた顔ぶれを観客に見せる 12・本場所中の役員の身の回りの世話、連絡事等の雑務 13・懸賞の掛かった取り組みの場合スポンサー名の書かれた懸賞幕を観客に見せながら土俵を一周する 14・重量の有る(長さ2.1メートル、重さ18キログラム)4本の吊り屋根の房の取り付け、取り外し。 土俵を構築し、力士を呼び上げる。 とにかく呼出さんが居ないと相撲は始まらない |
位 | 立呼出、副立呼出、三役呼出、幕内呼出、十両呼出、幕下呼出、三段目呼出、序二段呼出、序ノ口呼出 |
有名な呼出しさん : 長谷川勘太郎 明治時代における呼出しの名人 太郎 明治31年11歳で入門 長谷川勘太郎の指導を受ける。昭和初期、戦中 戦後にかけ活躍し、 呼び出しさんの心意気 特に太鼓の技の粋に懸けて名人と呼ばれ、勲六等単光旭日賞受賞、 時代背景が故の数多くの逸話も残しています。”呼び出しは粋でなきゃ”が口癖であった。太郎氏のバチさばきに御注目 三郎 元は歌手志望なので呼び出しの調子はまさに名調子 呼び上げだけで観客を陶酔させ取り組みを堪能させた。 入門が遅かった事、定年制 導入で在籍期間は比較的短い。相撲甚句の名歌い手としても名を馳せる。 永男 相撲甚句の作詞の達人、数多の甚句を残している その数約900と言われる。 米吉 太郎氏の娘さんの御婿さんで色白で格好いい男、太郎氏の影響で常に着物の襟を正し背を伸ばし 江戸の粋を地でいっていた。太郎氏仕込みの粋な太鼓の名人。9才で入門した為に三郎とは逆に在籍期間は長い。 長八 土俵造りの名人、津軽弁のまま相撲人生を通し 話し上手で痛快で明るくこの人がいると周りの人間の笑いが絶えなかった。 巡業中に土俵の俵を作っている時 俵をきっちり固めるのにビール瓶で叩いていた。 なぜかと聞くと ”ビール瓶を使うと 一番しっくり決まる 特にキリンビールのが良い”と こんな調子であった。 |
床山
(財)日本相撲協会の床山になれるのは義務教育を終了した19才未満の男子。
役 割 |
力士の髷を結う。髷は関取の大銀杏、幕下以下や普段の生活のちょん髷がある 大銀杏は びん付け油、すき櫛、前掻け、揃い櫛、荒櫛、握りはさみ、髷棒、先縛り、束ねた髪を元の部分で結う細く丈夫な紙の紐(元結)を使い力士の顔形に合わせて仕上げに銀杏の形の部分を作り全体を構成する。 陰の職人技です。 |
位 | 特等、1等、2,3,4,5等 |
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