大相撲用語

さ行      
さかどり(逆取り) 昔、野外の巡業で興行中急に雨が降り始めたとき、土俵その他のコンディションが悪化する前に取組順位を変更して、横綱、大関、三役が先に取り組み、興行を早く終了させたことをいう
さがり(下がり) 締め込みの前に挟んで下げる一種の飾り。関取用のものは廻し(締め込み)の布地と同じ糸でつくられ、ふのりで固められている。数は19本が標準。体の大きさによって数の増減はあるが、必ず奇数に限られている。幕下以下は、木綿の丸打ちヒモで、数も少なく、ダラリと下がっている
さがりをさばく(下がりを捌く) さがりを真ん中ぐらいから左右に分けて、蹲踞、仕切りに入ること
さきのり(先乗り) 地方本場所や、地方巡業のとき、力士一行より先に出張して、興行万般の手順配置を決める役割。先発隊
さじき(桟敷) マス形に仕切られた、座る所が平たい観覧席。マス席ともいう。通常は4人詰め。同じく座して見る所でも溜まり席は桟敷とはいわない
さしちがい(差し違い) 物言い協議の結果、行司が軍配を挙げた力士が負けになること
さしてをかえす(差し手を返す) ”腕を返す”参照
さしてをころす(差し手を殺す) 相手の差し手を封じて効力をそぐこと。浅く上手を引きつけるか、強くおっつけること
さんだんがまえ(三段構え) 相撲基本体とされる上、中、下の三段構え。儀式のときなど、東西の横綱もしくは大関最高位のもの)が向かい合って演ずるのが例
さんばんげいこ(三番稽古) 実力のほとんど同じぐらいの力士同士が、2人で何番も続けて稽古をすること。”三番”とは”数多い”という意味
さんやく(三役) 大関、関脇、小結のことが本来だが、最近では、関脇、小結力士のことをさす使い方が多い。なお、横綱はその昔、現在と違い地位ではなく大関のなかにおいて抜群の力士に対する名誉称号であったために、含まれていない
しお(塩) 清めの意味を込めてまかれる。すり傷をしたときに塩で消毒し、膿まないという点もある
しかくしゃ(資格者) 本来は年寄となり、養老金をもらえる有資格者をいう。現在、力士たちが”資格”という場合は、幕内以上の力士のことをさす
しかきめる 知らないふりをすること。花札の鹿は横を向いていることから、とぼけること
じぎょうぶ(事業部) 東京本場所相撲の実施運営ならびに協会で行う事業のうち他の部署に属さない事業を行うのが事業部である。事業部長は副理事長格の重要な地位
しきり(仕切り) 力士が土俵へ上がって、双方相対し、両手を地に下ろして立ち合いの身構えをし、にらみ合いながら呼吸を合わせること。仕切りの型は、力士の体格や、相撲の取り方によって違い、低いのは「平グモ仕切り」、腰を上げる「腰高仕切り」、腰だけ低い「こま犬仕切り」などがある
しきりせん(仕切り線) 土俵中央に2本引いてある白線。仕切りのときこの線より前に手を出してはならない。幅6センチ、長さ80センチ。2本の間隔は70センチ
しこ(四股) 両足を左右に開き、足を交互に高く上げ、地を踏む動作。両手は軽く足に添えられている。相撲において足腰を鍛える目的を持ったもっとも重要な動作、別名は力足
しこな(四股名) 力士の呼び名をいう。しこの意味は醜(しこ)つまり自分を卑下していう意味のほか、古代には、同時に”強い”という意味がふくまれていた。当て字である
しじゅうはって(四十八手) 相撲の勝負を決定するワザを「手」といい、古来、投げ12手、掛け12手、反り12手、捻り12手、あわせて48手とされているが、これは手数の多い意味の形容で、江戸時代になって48手にはめて作られた。実際にはそれよりも多く、150手以上もあったので、現在、相撲協会では、これを82手に整理してある。
しにたい(死に体) すでに相撲を続けて取れる状態でなくなったときの体勢を「死に体」という。⇔”生き体”
しのびあし(忍び足) ”送り足”参照
しぼる(絞る) 相手がハズに当てた手、または下手の腕のヒジ関節を中心に、上手で相手の腕をつかみ、自分のヒザを内側(下腹の方)へ引きつけながら、相手の重心を浮かせようとすること
しめこみ(締め込み) 広義には廻しの総称だが、ふつうは関取衆用の取り廻しのこと。博多織の繻子で、力士規定で色は紺、紫系統と定められている
じゃのめ(蛇の目) 土俵の外側に20センチほどの幅で砂を敷いた部分。勝負判定で足が出たか否かの参考になる。二重土俵で内側と外側の俵の間に敷いたのが始まり
しんじょ(新序) 前相撲が済み翌場所番付けに載る事が決まった力士
石炭たく 急ぐ事
世話人 元力士で用具の管理、運搬、巡業での明け荷の管理等を行う。本場所では木戸番、支度部屋の出入りのチェック等を行い雑務が多い。
そっぷ やせている事、ちゃんこのスープの出汁を取る鶏ガラから来ている
そと四つ 相手にもろ差し両上手になった体勢
そんきょ(蹲踞) 爪先立ちで十分ヒザを開き腰を深くして重心を安定させた姿勢